この記事は、熊や雪よりも怖かった「自分の判断ミス」について、
60代女性ソロ登山者の実体験から書いた記録です。
はじめに|一番危険なのは「自然」ではなく「自分」だった
※この記事は、私が60代でソロ登山を続ける中で経験した
「判断ミス」と「引き返し」を軸に、
不安を行動に変えるための中心記事です。
「熊に遭うのが怖い」
「雪山は危険」
登山を始めた頃の私は、そう思っていました。
でも、登山歴4年で47都道府県の山を歩いた今、
本当に怖いと感じているのは熊でも雪でもありません。
それは、
「まだ大丈夫」
「ここまで来たんだから」
そうやって自分に言い聞かせてしまう
自分自身の判断ミスです。
この記事では、60代女性ソロ登山者の私が
「これは引き返すべきだった」と後から強く感じた瞬間と、
それ以降、私が必ず守っている判断ルールを正直に書きます。
判断ミス①「まだ行ける」は、体が先に危険を知っていた
■ 熊鈴|「進む前に立ち止まる」ための合図
私は熊鈴を、
熊を追い払うための道具だとは思っていません。
・音が鳴っているかを確認するために立ち止まる
・無意識に歩き続けるのを止める
・「今、判断できているか?」を自分に問い直す
そのための道具です。
特に、
・人の気配が消えた瞬間
・沢音や風音で周囲が分からなくなったとき
・「このまま行っていいのか」と迷ったとき
私は必ず足を止めて、熊鈴の音を確認します。
体力が残っている。
足も動く。
時間にも少し余裕がある。
そんな時ほど、
「もう少しだけ行けそう」と思ってしまいます。
でも今振り返ると、
この「まだ行ける」という感覚こそが一番危険でした。
特に60代になると、
体力の限界と判断力の低下が同時に来ることがあります。
「今この時点で、無理なく引き返す体力があるのか」
を常に自分に問いかけるようにしています。
むしろ、余裕がある時ほど冷静さを失いやすいと感じています。
実はこの「まだ行ける」という判断が一番起きやすいのが、
初冬の低山です。
判断ミス②「装備があるから大丈夫」という思い込み
熊鈴を付けている。
地図アプリもある。
防寒着も持っている。
それでも、
「これだけ揃っているから大丈夫」
と、自分に言い聞かせてしまった瞬間がありました。
以前の私は、どこかでそう思っていました。
でも、装備は判断を助ける道具であって、
危険を消してくれるものではありません。
熊鈴を付けていると、
「これで熊対策はできている」
と無意識に思ってしまいます。
でも実際には、
音が風に消えていたり、
沢音で聞こえていなかったりすることもありました。
熊鈴があっても熊は出ます。
地図があっても道は迷います。
「持っているから大丈夫」ではなく、
「使う状況にならない行動をする」ことが
一番の安全対策だと学びました。
私が「引き返す判断」をしたきっかけの多くは、
熊の痕跡や気配に気づいたときでした。
判断ミス③ 「天気予報より今の空」を信じすぎた
山に入る前、天気予報は「回復傾向」でした。
空も明るく、風も弱い。
「今日は大丈夫そう」
そう判断した結果、
稜線で急変する天候に対応が遅れたことがあります。
山の天気は、
今見えている空より、これから起きる変化が重要です。
予報・風・雲・体感温度。
一つでも違和感があれば、
私はその場で引き返す判断をするようになりました。
遠方の山。
貴重な休み。
計画してきた日程。
こうした条件が重なると、
「今日行かなければ」という気持ちが強くなります。
私も一度、
「今日を逃したら次はない」と思い込み、
無理をしかけました。
でも今は、はっきり言えます。
予定を優先した判断は、ほぼ間違います。
山は逃げません。
命は一つです。
判断ミス④「今日しかない」が判断を狂わせる
・せっかく来たから
・次はいつ来られるかわからない
・ここまで来たのに
こう思った瞬間、判断は「安全」ではなく
「気持ちを満たす方向」に傾きます。
私自身、この感情に引っ張られて
引き返す判断が遅れたことがありました。
山は逃げません。
でも、判断のチャンスは一瞬で失われます。
判断ミス⑤ ソロ登山は「相談できない」ことが最大のリスク
ソロ登山は自由です。
誰にも止められません。
でもそれは、
すべての判断を一人で背負うということでもあります。
誰かがいれば
「やめた方がいいんじゃない?」
と言ってもらえた場面でも、
ソロでは
「まあ大丈夫だろう」で進んでしまう。
この怖さを知ってから、
私は自分ルールを決めました。
私が必ず守っている「引き返しルール」
実際に私が「判断を迷わせない」ために頼っている道具は、
こちらの記事でまとめています。
👉 判断を迷わせないために私が頼っている道具たち
今は、次のルールを必ず守っています。
- 時間で迷ったら引き返す
- 天候で迷ったら引き返す
- 不安を感じたら理由を探さず引き返す
特に最後のルールは大切です。
「不安=危険信号」
60代になってからは、
この感覚を信じるようにしています。
まとめ|無事に帰ることが、登山の成功
判断以前に、
不安を減らすために私が決めている準備があります。
👉 60代ソロ登山者が実感|不安を安心に変える冬山の5つの準備
熊や雪は確かに怖い存在です。
でも、それ以上に怖いのは
「大丈夫だろう」と思ってしまう自分でした。
引き返す判断は、
失敗ではありません。
無事に帰ることこそが、登山の成功。
今は、そう心から思っています。





コメント