山を歩いていて、
「怖い」とはっきり感じたわけではありませんでした。
どちらかというと、
「少し気になる」「何となく落ち着かない」
そんな、言葉にしにくい違和感です。
その時の私は、
・熊を見たわけでも
・はっきりした危険サインがあったわけでも
ありません。
それでも、
「このまま進んでいいのか」
「引き返すのは早すぎるのか」
判断に迷い続けていました。
この記事では、
私が実際に 引き返すまでに迷った理由 と、
あとから振り返って分かった
判断を遅らせていた正体 を整理します。
「まだ大丈夫」と思ってしまった理由
その日は、
天候も悪くなく、体力にも余裕がありました。
道も分かりにくいわけではなく、
これまで何度も歩いたことのある山域です。
だからこそ、
「今日は大丈夫だろう」
という気持ちが、自然に湧いてきました。
・ここまで問題なかった
・熊の気配は感じない
・時間もまだある
こうした条件がそろうと、
人は 「進む理由」 ばかりを集めてしまいます。
逆に、
引き返す理由は
「気のせい」「考えすぎ」
として、後回しにしてしまいました。
迷っていたのは「熊」ではなく「自分の判断」
立ち止まって考えてみると、
私が怖かったのは
熊そのものではありませんでした。
本当に不安だったのは、
「この判断でいいのか分からない自分」 でした。
・進んで後悔しないか
・引き返して後悔しないか
・どちらが正しいのか分からない
この状態になると、
人は動けなくなります。
熊に遭うかどうかよりも、
判断が宙に浮いている時間 が、
一番落ち着かないと感じました。
引き返して分かった「迷った時点で答えは出ていた」
最終的に、私は引き返しました。
その判断に、
はっきりした根拠があったわけではありません。
ただ、
「このまま進んでも、気持ちは軽くならない」
そう感じたからです。
下山しながら思ったのは、
迷っていた時点で、答えはすでに出ていた
ということでした。
危険サインが出てからではなく、
判断に迷い始めた段階で、
一度立ち止まる。
それだけで、
結果は大きく変わるのだと実感しました。
餌不足や暖冬など、熊が行動範囲を広げる背景はこちら
👉 餌不足・暖冬・人里化で熊はどう動く?登山者が知るべき危険サイン
判断に迷わないために、最低限そろえておきたい装備はこちら
👉 熊対策 最低限装備|ソロ登山で外せない5つの持ち
まとめ
熊対策というと、
「熊をどう避けるか」
「どう撃退するか」
に目が向きがちです。
でも実際には、
判断を迷わせない状態を作ること が、
一番の対策だと感じています。
「まだ大丈夫」と思った瞬間に、
立ち止まれるかどうか。
その判断ができるかどうかは、
経験だけでなく、
装備や準備にも大きく左右されます。
怖さを我慢するのではなく、
違和感を無視しない。
それが、
50代・60代のソロ登山で
自分を守るための、大切な判断だと思っています。





コメント