― 装備より先に「決めておきたいこと」―
(50代・60代 女性ソロ登山者向け)
はじめに|冬山が怖いのは、自然なことでした
冬の山は、静かで、美しくて、少し緊張感があります。
それでも私は、今も冬の低山を歩いています。
正直に言うと、
今でも冬山は怖いです。
・滑ったらどうしよう
・誰にも会わなかったら
・熊の気配を感じたら
登山歴4年、60代になった今でも、
不安がゼロになることはありません。
でも、ひとつだけ確信していることがあります。
冬山で大切なのは、
「怖くならないこと」ではなく
不安を放置しないこと。
この記事では、
私が実際に冬山で感じてきた不安と、
それを「安心」に変えてくれた5つの準備を
装備紹介ではなく、考え方中心でまとめました。
冬山の不安は「弱さ」ではありません
「不安を感じる自分は、まだ未熟なのかもしれない」
そう思っていた時期もありました。
でも今は、はっきり言えます。
不安は、判断力が生きている証拠です。
特に60代のソロ登山では、
・体力の回復に時間がかかる
・判断を修正してくれる人がいない
・無理がそのまま事故につながる
だからこそ、
不安を無視せず、準備で受け止めることが
一番の安全対策になります。
不安を安心に変える、冬山の5つの準備
足元の不安は「早めに対処する」と決める
冬の低山で一番多い不安は、
「滑るかもしれない」という感覚です。
霜、凍結、木の根、石段。
標高が低くても、冬は条件が一気に厳しくなります。
私が意識しているのは、
「滑ってから対処」ではなく、
滑りそうだと思った時点で対処すること。
迷ったら、早めに装着する。
それだけで、歩き方も、心の余裕も変わります。
私にとってこれは装備の話ではなく、
「迷ったら先に止まる」と決めている判断の話でもあります。
熊の不安は「音を出すか」ではなく「音が途切れていないか」
熊対策というと、
「熊鈴を付けているかどうか」に意識が向きがちです。
でも冬の山では、
雪が音を吸収し、風や沢音でかき消されます。
私が気をつけているのは、
音が鳴っている“つもり”になっていないか。
・無音の時間が続いていないか
・休憩中に完全に静かになっていないか
「音がある状態を保てているか」を
時々立ち止まって確認するだけで、
不安はかなり小さくなります。
私にとって熊鈴は、
熊を遠ざける道具というより
「今、音は途切れていないか」と
立ち止まるきっかけになってくれる存在です。
「誰かが探せる状態」を出発前に作っておく
これは熊対策以上に大切だと感じています。
ソロ登山で一番怖いのは、
何かあったとき、誰にも気づかれないこと。
私は必ず、
・登山計画を作る
・家族や知人と共有する
という状態を作ってから山に入ります。
「今日の私は、誰かに探してもらえる状態か?」
この確認があるだけで、
不安の質が変わります。
行動時間は「余裕があるうちに終える」と決める
冬山では、
時間が遅れるほどリスクが増えます。
・日没が早い
・気温が下がる
・路面が再凍結する
私は「午後は下山に集中する」と
あらかじめ決めています。
焦らない行動は、
判断ミスを防いでくれます。
一番大切なのは「引き返す基準」を先に決めておくこと
5つの準備の中で、
一番大切なのはこれかもしれません。
・違和感を感じたら止まる
・迷った時点で引き返す
・理由を探さず撤退する
この基準を出発前に決めておく。
そうすると、
山の中で迷ったときに、
自分を説得しなくて済みます。
不安は、引き返す理由になっていい。
私はそう思っています。
まとめ|不安があるから、準備ができる
冬の山は、
美しくて、静かで、心を落ち着かせてくれます。
でも同時に、
小さな判断ミスが命に関わる場所でもあります。
だから私は、
不安を消そうとはしません。
・不安を感じる
・準備で受け止める
・判断を早める
👉 準備を整えていても、判断を誤れば引き返せません。
私が実際に「引き返す判断」をした体験はこちらです。
【体験談】熊・雪より怖かった「判断ミス」|引き返した理由




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